(PHP 4 >= 4.0.6, PHP 5, PHP 7, PHP 8)
mb_detect_encoding — 文字エンコーディングを検出する
$string, array|string|null $encodings = null, bool $strict = false): string|false
エンコーディングの候補の一覧から、
文字列 string
のもっとも可能性が高い文字エンコーディングを検出します。
PHP 8.1 以降では、
この関数は指定されたテキスト中の有効なテキストエンコーディングのうち、
もっとも正しい可能性が高いものを、経験則を用いて検出します。
そのため、encodings の順番通りでない場合があります。
追加の情報なしに、 意図した文字エンコーディングを自動で検出する行為は、 全く役に立ちません。 これは、暗号化された文字列を鍵なしにデコードする行為に似ています。 "Content-Type" HTTP ヘッダのような、 データを転送された際に付いてくる情報や、 保存された文字エンコーディングに関する指示を指定することが常に望ましいです。
この関数は、全ての文字列が正しいバイト配列とは限らない マルチバイト文字列を指定するともっとも役に立ちます。 入力となる文字列に誤ったバイトが含まれていた場合、 そのエンコーディングは採用されません。
この関数の名前は誤解を招きやすいです。 この関数は 「検出」(detection) ではなく 「推測」"guessing" を行います。
この関数が行う「推測」は正確には程遠いので、 正しい文字エンコーディングを検出する用途に、この関数は使えません。
string調べる対象の文字列。
encodings試す文字エンコーディングの一覧を指定します。 このリストは、文字列の配列または、 カンマ区切りのリストで指定できます。
encodings が省略された場合、
または null の場合、
現在の detect_order
(
mbstring.detect_order 設定オプション
または mb_detect_order() で設定したもの)
を使います。
strict
encodings で指定された
文字エンコーディングのリストの全てに対して、
不正と判定された場合の振る舞いを指定します。
strict が false の場合、
もっとも近いと判定された文字エンコーディングが返されます。
strict を true にした場合、
false が返されます。
strict のデフォルト値は
mbstring.strict_detection 設定オプションで指定できます。
検出した文字エンコーディングを返します。
指定したエンコーディングの全てに対して、不正と判定された場合は false を返します。
| バージョン | 説明 |
|---|---|
| 8.2.0 |
mb_detect_encoding() は、
以下のテキストでないエンコーディングを返さなくなりました:
"Base64", "QPrint",
"UUencode", "HTML entities",
"7 bit", "8 bit"
|
例1 mb_detect_encoding() の例
<?php
$str = "\x95\xB6\x8E\x9A\x83\x52\x81\x5B\x83\x68";
// 現在のdetect_orderで文字エンコーディングを検出
var_dump(mb_detect_encoding($str));
// "auto" は mbstring.language の設定を使って展開されます
var_dump(mb_detect_encoding($str, "auto"));
// 文字エンコーディングをカンマ区切りのリストで指定することで、encodings 引数を指定
var_dump(mb_detect_encoding($str, "JIS, eucjp-win, sjis-win"));
// encodings 引数を配列で指定
$encodings = [
"ASCII",
"JIS",
"EUC-JP"
];
var_dump(mb_detect_encoding($str, $encodings));
?>上の例の出力は以下となります。
string(5) "ASCII" string(5) "ASCII" string(8) "SJIS-win" string(5) "ASCII"
例2 strict パラメーターの効果
<?php
// 'áéóú' は ISO-8859-1 でエンコードされています
$str = "\xE1\xE9\xF3\xFA";
// この文字列は、ASCII または UTF-8 的には正しくありませんが、
// UTF-8 がもっとも近いと判定されます
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ASCII', 'UTF-8'], false));
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ASCII', 'UTF-8'], true));
// 正しいエンコーディングが見つかった場合、
// strict パラメータを指定しても結果は変わりません
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ASCII', 'UTF-8', 'ISO-8859-1'], false));
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ASCII', 'UTF-8', 'ISO-8859-1'], true));
?>上の例の出力は以下となります。
string(5) "UTF-8" bool(false) string(10) "ISO-8859-1" string(10) "ISO-8859-1"
場合によっては、同じバイト配列が、 複数の文字エンコーディング的に正しいかもしれませんが、 どの解釈が意図されたものなのかを知ることは不可能です。 たとえば、 バイト配列 "\xC4\xA2" は、 以下のように解釈できます:
例3 複数のエンコーディングと一致した場合の効果
<?php
$str = "\xC4\xA2";
// 3つ全てのエンコーディングに照らして正しい文字列ですが、
// 最初のひとつが常に返されるとは限りません
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['UTF-8']));
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['UTF-8', 'ISO-8859-1', 'ISO-8859-5'])); // PHP 8.1 以降では、UTF-8 ではなく ISO-8859-1 が返されます
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ISO-8859-1', 'ISO-8859-5', 'UTF-8']));
var_dump(mb_detect_encoding($str, ['ISO-8859-5', 'UTF-8', 'ISO-8859-1']));
?>上の例の出力は以下となります。
string(5) "UTF-8" string(10) "ISO-8859-1" string(10) "ISO-8859-1" string(10) "ISO-8859-5"